【 重要 】Trimble社製 GNSS受信機（旧型）のロールオーバー状態について

現在、お客様がご使用されているTrimble社製GNSSの一部（旧型）におきまして、2023年8月20日以降の観測において、日付を制御するシステムにロールオーバー状態（詳細は後述）が確認されました。これにより、観測データに書き込まれる日付が実際と異なる日付となり成果に支障をきたす場合があります。

該当機（5700Ⅱ／5800Ⅱ／R4／R5／R6／R7 GNSS／R8GNSS／SPSx5x／SPSx8x／BD960／NetR5/NetR8）への対策といたしましてファームウェアのアップデートにて対応可能となります。詳細につきましては、下記の内容をご一読いただけますようお願い申し上げます。

この度は発生後の連絡となりご迷惑をおかけいたしましたことお詫び申し上げます。

【ロールオーバー発生機種】

・Trimble 5000シリーズ：5700、5700 L1、5700Ⅱ、5800、5800Ⅱ
・Trimble Rシリーズ：R4、R5、R6、R7、R7 GNSS、R8、R8 GNSS
・NetRシリーズ：NetRS、NetR5、NetR8、NetR9
・ボードタイプGNSS：BD950、BD960
・SPSシリーズ：SPSx5x、SPSx8x

【対象機の対策】

① ファームウェアのアップデートによる対応

・Trimble 5000シリーズ：5700Ⅱ、5800Ⅱ
・Trimble Rシリーズ：R4、R5、R6、R7 GNSS、R8 GNSS
・NetRシリーズ：NetR5、NetR8、NetR9
・ボードタイプGNSS：BD960
・SPSシリーズ：SPSx5x、SPSx8x

ファームウェアのv.4.43以降へアップデートしていただくことで対応可能となります。
バージョンアップの実施には専用ツール（Winflash）が必要となりますので、製品をご購入いただきました販売店もしくは弊社営業担当までご連絡をお願いいたします。

ご注意：受信機内部には｢Warranty Data（ファームウェアの保証日付）｣が設定されています。Warranty Dateは機器ごとに異なり、無償でのバージョンアップができない場合があります。
Warranty Dateに記載されている日付が2011年4月以降であれば、v.4.43以上のファームウェアへのアップデートが可能です。それ以前の日付の場合は、有償でのWarranty Dateの更新が必要となります。

・NetRシリーズ：NetRS

v.1.3-2へアップデートしていただくことで対応は可能となります。
NetRSは現在接続いただいているブラウザーの環境からバージョンアップすることが可能です。
バージョンアップできない場合は、販売店または担当営業までご連絡をお願いします。

② その他の受信機

・Trimble 5000シリーズ：5700、5700 L1、5800
・Trimble Rシリーズ：R7、R8
・ボードタイプGNSS：BD950

ファームウェアが2.3Xの受信機は、既にTrimble社におけるサポート期間が終了して10年以上の時間が経過しているため、対策用のファームウェアの提供はございません。長らくご使用いただき誠にありがとうございまた。事後のご連絡となりご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

【ロールオーバーに関する情報】

GNSSの日付管理は、基準となる日からのGPS時における週数と週の初めからの秒数により、日付管理を行っています。受信機と衛星は「週」の部分を０~1023週までをカウントするようになっていますが、この週カウントが1023を超えて0にリセットされGNSSの基準日に戻ってしまう状態をロールオーバーと言います。この場合、GNSS受信機は実際の日付とは異なる日付を表示します。
今回の現象は、ファームウェアによって設定された基準日から1023週が経過したことで0にリセットされ、実際の日付とは異なる日付を表示し、観測データに記録してしまっています。

【発生が確認された現象】

スタテック観測
・データのロギングはできますが、観測ファイルに書き込まれる日付が正常な受信機と同期が取れないため、基線が作成されず基線解析ができません。
・スケジュール観測で受信機内部の日付が異なるため、コントローラで設定した観測時間で観測が始められません。
・ロールオーバーが発生しているGNSS受信機同士で観測したデータ間での解析は可能な場合がありますが、観測データに記載されている日付が異なりますので、手簿、記簿が成果として利用できません。

VRS-RTKの場合
電子基準点およびBaseとなるGNSS受信機で補正データを生成して送られる補正データを使用してRover側の受信機内で計算していますので、解が算出できない場合があります。座標の取得が可能であった場合でも誤った日付の観測結果となりますので、成果として利用できない場合があります。